妊活中に必ず知っておきたい油の知識

「油」と聞くと何となく身体に悪い、食べない方が良いという印象がありますよね。ダイエットの栄養相談をしたときに「早く痩せたいので油を控えています!」といわれる方がいらっしゃいました。でも、ちょうど秋の乾燥とかぶっていて化粧をするときに肌の角質がぽろぽろ落ちて化粧がのらない。便秘になっている。髪がパサついていてドライヤーの後、ボンっと髪が広がる事が悩みでした。食事に詳しい方はもうお分かりかと思いますが、すべて油を控えたときに出る症状ですよね。もちろん油を過剰に摂ることは肥満に繋がったり、老化を促進してしまったりすることもありますが、全く口にしないとなるとそれも問題なのです。人間の脳は約65%が脂質でできています。そして私たちの細胞膜は脂質から作られています。つまり、油の量を控えてしまうと脳や細胞にダメージを与えてしまうことになるのです。

ほかにもホルモンの材料にもなりますので妊活中には必ず摂りたい栄養素です。妊娠をすると赤ちゃん目や脳の発達にも役立ちます。赤ちゃんのためにも自分のためにも身体によい油を自分で選んで正しく摂取していくことが大切です。

脂質の種類

脂質には種類があります。

飽和脂肪酸は固形の油でバターやラード、ココナッツオイル、肉類などの油です。摂りすぎると動脈硬化の原因になります。中鎖脂肪酸は消化しやすくエネルギーとして燃やされやすいため、身体に蓄積されにくい油として注目されています。

不飽和脂肪酸は液体の油で植物油や魚介類の油です。不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸多価不飽 脂肪酸に分かれていて、一価不飽和脂肪酸は身体で作ることができるますが多価不飽和脂肪酸は体内で作り出すことができません。

一価不飽和脂肪酸:体内で作り出され、エネルギーや細胞膜の材料として使われます。体内に蓄積されるため、太りやすい油といえます。

多価不飽和脂肪酸:過剰に摂取した分はエネルギーとして代謝、消費されます。身体に蓄積されにくく、太りにくい油です。細胞や組織をつくりやくわりがあり、抗アレルギーや中性脂肪低下の働きが期待されます。

このように油には種類がありますが、飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸は体内でも作られるため通常私たちの食事で不足することはありません。むしろ過剰な方も多くいらっしゃいます。多価不飽和脂肪酸のオメガ6系の脂肪酸は大豆や小麦、米に含まれているためこちらも十分に取れています。

一番積極的に摂りたい脂質はオメガ3の油です。摂取するときは強い加熱処理を避けて、出来上がった料理にかけて摂取することが理想です。亜麻仁油やえごま油の場合はスープなどの飲み物に入れても良いです。青魚も含まれているため刺身やカルパッチョの生で食べることがおススメです。

1日の油の摂取量

油は大さじ1杯約110カロリーあります。油の1日の摂取量は20~30代女性で約50g(約大さじ4杯程度)までです。油を摂るときは不足しがちな魚の油、亜麻仁油、えごま油(1日小さじ1杯程度)を選んでその他油は過剰に食べすぎないようにしましょう。亜麻仁油やえごま油は冷蔵庫で冷やすようにして保管し、酸化が早いためすぐに使い切ることが大切です。

妊活中には必要な油

妊活中に特に意識して摂りたい油はオメガ3です。アレルギーや、卵巣系のトラブルを避けるためには 1日に小さじ1杯摂るように意識することが大切です。オメガ3は赤ちゃんの器官形成にも役立つため妊活中からしっかりと摂っておくことは大切なことです。

妊娠したいなら取らないで!身体に悪い油

悪い油は身体や脳にダメージを与えてしまいますし、卵子の老化や排卵障害を引き起こし妊娠を遠ざけてしまいます。せっかく治療で高いお金を出しているのに卵のグレード下がってしまったら嫌ですよね!妊活中は特に以下の悪い油を避けるようにしましょう。

  • トランス脂肪酸:マーガリン、ショートニング、ファットスプレッドに含まれる不飽和脂肪酸です。欧米諸国では規制されており、心臓病や不妊を引き起こすといわれています。
  • 酸化した油:油は長時間放置したり、光や空気と接触したり、加熱されることで参加し過酸化脂質となり、細胞を傷つけ老化を促進します。もちろん卵子の老化にもつながりますので、油を繰り返し使用することや古い油を使うことはやめておきましょう。
  • 揚げ物、ファストフードやスナック菓子は長期にわたって摂取することで脳梗塞、心筋梗塞、がん、アレルギーを引き起こすといわれています。たまに食べる楽しみとして毎日食べることはやめましょう。

油は身体にとってはとても必要な物ですが過剰に摂りすぎてしまうと細胞に負担がかかってしまい、老化や肥満の原因となります。適度にバランスよく摂ることが大切です。私が栄養相談でお願いしていることは、魚は週4回どこかに入れることと、ドレッシングはなるべく手作りでということです。

良質な油+塩(岩塩、海塩、ハーブ塩)+レモンや醤油で簡単に作り事ができます。
不妊治療はお金も時間もかかります。治療は病院の先生にお任せできますが、赤ちゃんができやすい身体を作ったり、良い卵子を育てることはお母さんにしかできない事なのです。未来の赤ちゃんのためにまずは食事から変えていきましょう!

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