妊活相談をする際に私は「妊娠のために必要な栄養と聞いて何が思いつきますか?」とお尋ねします。妊活についてたくさん勉強されている方もいらっしゃり、「葉酸」「ビタミンD」「鉄分」さらに「食物繊維」とお答えいただきます。中にはサプリメントも取っています!とおっしゃられる方もいらっしゃって、妊娠するためにとっても頑張っていらっしゃるんだなと感動いたします。
お客様のお答え通り、妊娠には「葉酸」「ビタミンD」「鉄分」「食物繊維」どれも必要で、その理由もしっかりあります。
でも、まず私が最初にお伝えしているのは基本的な三大栄養素です。
「三大栄養素」は炭水化物、タンパク質、脂質です。基本的な栄養素ですが身体づくりの一番基本的な栄養となります。植物も土台の土が痩せていると元気な植物は育たないですよね?
植物と同じでお母さんの身体が元気でないと赤ちゃんを作るエネルギーは作られません。まずはお母さんの身体づくりから始めていきましょう!
炭水化物
炭水化物は糖質と食物繊維に分けられています。糖質と聞くと最近、低糖質が流行っているためなんだか控えたほうが良いイメージですよね。確かに精製された白いご飯やパンや麺をだけを食べると血糖値は上がりやすくなりますが、この食物繊維と一緒に摂ることで血糖値の上昇は緩やかになります。ダイエットのために炭水化物を抜く方が多いのですが、炭水化物はエネルギーの素や身体を温める効果があるため赤ちゃんを作るためにはとても大切な栄養素なのです。急激な血糖上昇を抑えるために白米を雑穀米や玄米、大麦に変更したり、パンの場合は全粒粉のパンや麺を選ぶようにすることで急激な血糖値の上昇を抑えることができます。食べないのではなく食べ方を変えることで身体への負担を回避することができます。
タンパク質
ヒトの身体は50~70%が水分約20%がタンパク質でできています。手っ取り早く身体を改善するには水分とタンパク質は不可欠なのです。
タンパク質は私たちの身体を作ってくれている主成分で、酵素やホルモンにも関係しています。赤ちゃんを作る基礎となるので、しっかりと取り入れることが必要です。精子や卵子もタンパク質からできているため、妊活にとっては重要な栄養成分です。タンパク質が不足することで筋肉量の減少に繋がり、血液の流れが悪くなるため、妊活の大敵である冷えを招くこととなってしまいます。しかし、タンパク質は身体に貯蔵することができないので、毎日摂取することが必要です。タンパク質には肉・魚・卵などの「動物性タンパク質」と大豆製品や野菜、穀物に含まれる「植物性タンパク質」がありますが、動物性タンパク質は体内で作ることのできない必須アミノ酸を多く含んでいるため、3食のうちの2食は肉・魚・卵を入れることをおすすめします。
脂質
脂質は油の記事でしっかりと説明しましたが、妊活で特に必要な脂質はオメガ3系の油です。
その他の油はほとんどの方が毎日の食事で補えています。中でも不足している油がこの「オメガ3系」なのです!
オメガ3系油
オメガ3と言われる油は多価不飽和脂肪酸で細胞や組織を作る働きがあります。一般的には魚に含まれるDHAやEPAが良く知られています。身体に蓄積されにくいため太りにくく、血液をサラサラにしてくれる効果が期待されています。他にも抗アレルギー作用や中性脂肪を下げる働きがあり、健康油として注目されています。また、海外では卵子の質を改善するという研究もされています。海外において、体外受精を受けている女性の血清オメガ3脂肪酸と治療結果を検証した研究では、血清中のオメガ3脂肪酸濃度が高いほど、妊娠および出産の可能性が高くなったという報告もあります。
※欠点は酸化しやすく、熱に弱いことです。早く使いましょう。お味噌汁にそのまま大さじ1程度入れたりサラダのドレッシングの代わりにハーブ塩とえごま油・しそ油・亜麻仁油などを使用することで、手軽に摂取することが出来ます。
三大栄養素は栄養学でも一番初めに習う大切な栄養素です。三大栄養素は妊娠に必要なエネルギーを作り出す力があるため、控えるのではなく、良い食材を選んで取り入れるようにすると身体は変わってきます。食事で体質を変えるには約3ヶ月必要です。さぁ今日からやってみましょう!