最近テレビやSNSで「糖化」って聞きませんか?身体のコゲとかって言われていますよね!
実は不妊にも関係していますので、分かりやすく簡単に説明していきたいと思います。
糖化とは
血液中で余分な糖質がタンパク質にくっつき、体熱によって変性(性質が変わる)ことです。そこで出来上がったものがAGEs(最終糖化産物)となります。このAGEsは強い毒性があり、蓄積すると下記の図のように身体を老化させてしまいます。
糖化は老化を進め様々な病気につながるといわれていますが、妊娠への障害ともなります。
AGEのレベルが高い不妊の患者さんほど、卵胞の発育や受精、胚の発育不良だという論文もでています。また、AGEが蓄積していない患者さんでは30代後半、まで卵が十分に採れます。(妊娠体質に変わる栄養セラピーより引用)つまり、糖化は卵子の老化を促進させてしまうのです!
体外受精を始めると受精卵(胚・胚盤胞)のグレードが分かります。この卵のグレードが大切で良質な卵はもちろん妊娠の確立が高くなります。お医者さんは採卵したり、薬で卵の数を増やしたりしてくれますが良質な卵を作り上げるには、あなた自身が普段の食生活を見直していくことが大切なのです。
身体を糖化させる食べ物
身体を糖化させないためには、血管に余分な糖を残さないことです。食事をすると糖が血管に入りすい臓でインスリンが分泌され各臓器に運ばれます。そこで運ばれきれなかった糖が血管に残った状態になります。これが「余分な糖」になるのです。そのため血糖値を急激に上昇させない食事が大切となります。詳しい糖質のお話はこちらの記事:https://toyo-ku.com/wp-admin/post.php?post=476&action=edit
糖化を促進する食材
加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコン)、ファストフード(ハンバーガー・フランクフルト・チキンナゲット・フライドチキン・ポテトなど)、スナック菓子、ジュース、ケーキ、クッキー、ドーナツ、人工甘味料使用食品、精製された食品
上記のように色々ありますが、糖質とタンパク質を一緒に加熱したもの、例えばパンケーキやプリンのカラメル、魚や鶏肉の照り焼き、ローストビーフなども糖化の原因となります。高温で焼く事や油で揚げることによってAGEはできてしまうのですが、すべてを避けることはとても大変です。
なるべく嗜好品を食べる回数を少なくすることや付け合わせを気をつけることで身体の負担を減らすことができます。
身体の糖化を抑える食事
血糖値の上昇を緩やかにする
炭水化物は糖を含みます、多く摂りすぎることで、血液の中は高血糖な状態が続きます。高血糖な状態が続くと妊娠までの期間が長くなると中国の研究で分かっているため、炭水化物をとる際はどんな種類の物を食べるか?ということが、とても大切になってきます。
【糖質】白いお米だけでなく、他の雑穀も混ぜて炊くようにすることで、食物繊維、ミネラル、ビタミンも一緒に摂ることができますし、血糖値の上昇も緩やかになります。他にもうどんはそばに変える。パンは全粒粉のパンに変える等、未精製の食材を選ぶか、付け合わせに食物繊維の多い食品を持ってくることで血糖値の急激な上昇を抑えることができます。
【食物繊維】食物繊維が多く含まれる食材は血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。豆類、野菜類、海藻類、キノコ類をしっかりと噛んでゆっくり食べましょう。精製されている白米やうどんを外食で食べる際はこのような食物繊維の多い食材を一緒に摂ることによって血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
AGEの吸収を緩やかにする
【クエン酸】クエン酸を含む食材は食品中AGEを減らす働きがあります。焼く料理レモンや柚子を添えたり、煮込み料理に梅干しや酢を加えたり、お肉を炒める前にクエン酸水に漬けておくことでAGEの量を減らすことができます。
【α-リポ酸】α–リポ酸はチオクト酸(Thioctic acid)とも呼ばれる物質です。糖の代謝にかかわり、糖化を防ぐ作用があるといわれています。また、強力な抗酸化作用があり、ほうれん草、トマト、ブロッコリーなどに含まれています。
AGEを減らす調理方法
肉や魚、卵や大豆製品などタンパク質のが多く含まれる食品は揚げる・焼くなどの調理工程でAGE量が増えやすくなります。生(お肉は注意が必要です)・茹でる・蒸すなどの工程調理を行うようにしましょう。
生→茹でる→煮る→炒める→焼く→揚げるの順にAGE量が増えやすくなります。揚げる、焼くの調理をする際は梅干しや柚子、カボスを付け合わせたり、甘酢、マリネ、南蛮などの味付けにすることでAGEの吸収を抑えることができます。
糖化は妊娠までの期間が長くなるだけでなく、骨粗しょう症やアルツハイマー病、がん、動脈硬化、シミやシワの原因となります。毎日の食事のちょっとした工夫でAGEの量を下げることができますので頑張りましょう。