血糖値って何?妊活にどう関係しているの?

「血糖値」という言葉を聞いたことはありますか?最近はダイエットされている方は食品に含まれるカロリーよりもGI値(グリセミック・インデックス)を確認されている方も多いですよね。

血糖値とは血管に入った糖のことを言います。私たちはご飯を食べると血液に糖が入ります。
血中に糖が入ると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されて、肝臓や筋肉など糖を必要としている器官に運んでくれます。しかし血中の糖が多いと運ぶ場所が無くなり、とりあえず脂肪組織にため込みます。これが肥満の原因となります。糖質を制限するこで、脂肪の蓄積を予防し、ダイエットに繋がると考えられています。

ダイエットの栄養指導をする際に「炭水化物を避けたらいいですか?」「脂質は糖質が少ないからお肉をたくさん食べても問題ないですよね!」などと質問をいただくことがありますが、炭水化物は全く摂取しないと体調が悪くなる方もいらっしゃいますし、リバウンドを起こすこともあります。脂質に関してはお肉を摂りすぎて腸内環境が悪玉菌に傾き、便秘・肌荒れ・膨満感につながる方もいらっしゃいます。何事も過剰はいけませんし、その方のライフスタイルや体質によっても変わってきます。

妊活の場合は血糖値の上がらない食事を意識するようにお伝えしています。上記のイラストのように糖が血管に多く入ると、たくさんのインスリンが放出されます。

妊活と血糖値の関係

血糖値の上昇が持続すると、インスリンの分泌が過剰になります。このインスリンの過剰分泌は、女性の生殖ホルモンや卵子の成熟に影響を及ぼすことがあります。具体的には以下のような影響が考えられます。

  1. オーバーワークな卵巣:高血糖状態が続くと、ホルモンの分泌や卵子の成熟に関与している卵巣の正常な機能が妨害される可能性があります。
  2. ホルモンバランスの乱れ:高血糖状態が持続すると、インスリンの過剰分泌により女性ホルモンのバランスが崩れることがあります。特に、過剰なインスリンは男性ホルモンであるテストステロンの分泌を促進し、女性ホルモンであるエストロゲンとのバランスを乱す可能性があります。
  3. 卵子の品質低下:高血糖状態が続くと、卵子の品質が低下する可能性があります。卵子の品質の低下は受精や着床の成功率を下げる可能性があり、不妊のリスクを高めることがあります。

血糖値の上昇を抑えることは、妊活中の女性にとって重要です。バランスのとれた食事、適度な運動、ストレス管理などを通じて血糖値の管理を行い、ホルモンバランスや卵子の品質を保つことが大切です。

血糖値を急激に上昇させる食事とは?

血糖値は精製された白いご飯や白い砂糖、小麦粉で作られてものを単体で食べると一気に上がります。
例えば以下のイラストのような食べ物です。

私は仕事で血糖値を測定することがあります。方法はリブレ(グルコースの測定)と指に針を刺して15~30分毎に血糖値の上昇を測定するのですが、やはり上記のような食品を食べると一気に血糖値が150mg/dL近くまで上昇し、85mg/dLに急降下しました。普段の食事では上がって120mg/dLくらいまで上がり、ゆっくり加工して100~90mg/dLに戻りますので精製された食品を食べることでいかに身体に負担をかけているかが分かります。

血糖値の基準値は以下の通りです。

【空腹時血糖】125mg/dL以上は糖尿病を疑う

【食後2時間後血糖】140mg/dL以上は糖尿病予備軍、200mg/dL以上で糖尿病を疑う。

血糖値が急激に上昇するとインスリンが一気に分泌されて一気に下降します。この上げ下げを繰り返すと細胞が破壊され身体の老化が進みます。身体の老化はもちろん卵子や精子の老化にもつながります。

今、不妊の病院などで卵子が年齢よりも高いと言われた方はぜひ主食や間食の種類を変えてみてましょう。

血糖値を上昇を緩やかにする食事の摂り方

脂質の摂り方


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